塗料は油性か水性、どちらを選ぶべき?
2020年7月19日更新
油性塗料と水性塗料はどちらが丈夫?
「油性と⽔性と、どちらが丈夫なんですか?」
まず、溶剤と⽔性の違いはわかるよね?
塗料って⼤きく分けると 2 つにも分けることができるし、⼤きく分けると 3 つにも分ける、いくつでも分け⽅はある。
そのうちの⼀つとして、塗料は⼤きく分けると、まず 2 つに分かれる。
1 つは「⽔性」、もう 1 つは「油性」。
⽔性と油性しかあらへん。それ以外あらへん。
もう少しわかるように⾔うと、⽔性は⽔で溶かすやつや、⽔で溶かしたら全部⽔性や。
ええ塗料も変な塗料もみんな⽔性。字の如くや。
油の成分、いわゆるシンナーで溶かすものは全部「油性」。
絵でも⽔彩画と油絵とあるやん。
油絵って近くで⾒たことある?
めっちゃ近くで⾒たらボッコボコやで、⿂のウロコかっちゅうぐらい。
ボッコボコ、塗り重ね。
⽔彩画は⾒ての通り、⽔こぼしたみたいに刷⽑で混ぜたり。
⽔墨画なんかそう、習字の墨を使って、⿊⼀⾊で描く。
あれなんかはぼかし、あれは油性では無理。
⽔性と油性となるもの、知っての通りそれだけの違い。
⽔性で匂う、あえて⾔うと多少は匂うけど、⽔性は⽔だから匂わん。
油性だから匂うというのはある。
油性塗料が丈夫という固定概念・・・
いまだにどっちが丈夫かといったら「油性です」って、そういう固定概念がまだある。
そうとは限らん。
今、外壁に塗る塗装に限っては、窯業系サイディング、コンクリート、ALC、モルタルとかそういうものに関しては、はっきり⾔う、⽔性の⽅が丈夫や。
もう結果出てる、実験結果出てるし、
俺は宮古島の暴露実験場でこの⽬で⾒てるし。
⽔性の⽅が丈夫やな、外壁は。
ここは念押ししとかなあかん。
鉄部、FRP、アルミとか、そういうのあるやん。
そういうのは未だに、やっぱり溶剤がいい。
地⾯があるやん、地⾯に対して 90 度、90 度が外壁。
俺はそのことを⾔っとる。
90 度が外壁、ちょっとでも傾いてみ、屋根とみなして欲しい。
外壁と同じ素材でも屋根。
屋根は何がいいのといったら、溶剤の⽅がいいと思う。
油性の⽅がいい。
90度の場合は、上から下にまともに落ちるから。
⾬があたります、⾬⽔と⼀緒に汚れを落とします。
親の⽔の性質と書いて、「親水性」という。
⾬⽔と⼀緒に汚れを落としますって機能は、⽔性に多い。
多いというか、⽔性にしかない。
だから、未だに外壁は油性の⽅が強いですよと⾔い張る業者は、多分お客さん、素⼈に対してこうやって⾔う、「絵具とペンキどっちが丈夫だと思いますか?」って。
絵具とペンキってね、これ⽐較したらあかん。
絵具とペンキ⽐較したらどっちが丈夫だと思う?ペンキの⽅が丈夫や。
絵具も丈夫ですって⾔う奴はあんまりおらん。こんなもんはペンキのが丈夫に決まっとる。
絵具と⽐較するとね。
ところが、外で使う外装塗料、特に外壁塗料にいたっては、⽔性塗料の⽅が多分よくなってる。
そこは考えを改めて、特に⿇布のメンバーお客さんに質問されたらそう⾔わないといけない。
鉄部、スチール、FRP、ありとあらゆる特殊なものに限っては、プラスチックとかね、いまだに溶剤の⽅がいいと思います。
ところが、窯業系、コンクリート、ALC、モルタルとか、そういう外壁に限っては、⽔性の⽅が今は良くなっています。
そうやって⾔ってください。
水性塗料が強くなっている理由とは?
何でかっていう理由もある。
みんな知っての通り、世の中はエコ。
川にペンキ流れたら公害やん。
そもそもペンキが何から作られてるか知っとるか?
原油や。もう⽯油や。だから公害になるに決まっとるやん。
⽜乳1杯飲んだら体にいいけど、ペンキ1杯飲んだらどうなる?体に悪いなんてもんじゃない。
それに溶剤なんかマッチで⽕付けてみ、ボッて真っ⿊なっちゃうよ。
溶剤ってね、それだけ環境に悪い。
本当に環境に悪い。
⼤体匂いがきつい。
シンナー吸って遊ぶ⼈もおるけど、あんなん⼤⼈になってからは⼤概の⼈が臭いと思う。
今⼯事やっとるやん⿇布。
この前防腐塗ってたよね、もう会社に⼊ってきた瞬間に臭い。これ溶剤や。
だから公害、環境に悪くて⽔に流せない。
そんじょそこらに捨てれない、そうでしょ?
だからどうしたっていうと、エコの時代だから、エコロジー、エコロジーを守るために政府の指導があったよな。
⽇本の塗料メーカーに、もう溶剤開発するなって、開発するのは⾃由だけど、溶剤はもう認めんぞと。
これからは、エコ、エコロジーを考えた地球環境に優しい塗料を作りなさいと。
こういう指導が14~15 年前にあった。
それからどうなったっていったら、⼀同に⽇本中の塗料メーカーが⽔性だけを研究開発した。
溶剤に関しては、⼀端のプロ、博⼠技術者研究者たちが全然研究しなかってみ、その知識とレベルはそこで終わるやん。
これは歴史が証明するやん。
ところがそういう指導を受けたから、⾏政指導やで、無視するわけにいかんから、やっぱりエコロジー。
環境に良い塗料を作りましょうということで、⼀⽣懸命⽔性塗料の向上を⽬指して、ありとあらゆる⽇本の塗料メーカーの優秀な⼈が、屋根のついた室内で⽔性塗料を⼀⽣懸命いい塗料に研究開発した。
最初の2〜3年は何ともなかった。
10 何年もう経つから、今どうなったかと⾔ったら、ほぼほぼ⽔性が溶剤に追いついて、溶剤を今や外壁塗装に限っては超しちゃってる。
ところが物理的に、⽇本は春夏秋冬、クソ暑い⽇もあれば、クソ寒い⽇もあるから、こんな温度差を経験する⽇本の建物は過酷だということで、やっぱりその部位によっては、素地によっては溶剤は切っても切れない。
だから強溶剤という昔の「くっさ!うわ!」となる、公害の溶剤を作るのをやめて、「弱溶剤」という表現を作るんやけど、強い溶剤と弱い溶剤と、溶剤は溶剤で 2 つに分かれる。
その弱い溶剤を「弱溶剤」という。
あんまり臭わないシンナーで溶けるものが弱溶剤。
強溶剤っていうのは強い溶剤やから、メチャクチャどぎつい匂いのシンナーで溶かすのを強溶剤という。
そんなもんコップ飲んだらひっくり返っちゃう。
死んじゃうかもわからんね。
弱溶剤飲んだら⼊院ぐらいで済む。⻑期⼊院や。
胃の中洗浄すれば⼤丈夫。
⽔性でもそうや、飲んじゃったら胃の中洗浄すれば死ぬことはない。
そういう時代があって、⼀気に⽔性が溶剤塗料を良くした。
だからそういう、開発研究の年⽉や。
溶剤はある⽇突然ストップしたそっからは開発せんから、開発研究せんから、そこで⽌まるのは歴史を⾒ても明らか。
でも⽔性だけはより良くしようと思ってやっとるわけやから、いずれ追いついて、今は⾶び越えたよ。
だから外壁に限っては、⿇布はお客様に良い⽔性塗料を勧めて何ら問題がない。
素地によって使い方が変わる!
ただ、肝⼼なのは「下塗り」や。
外壁があります、下塗り塗りました、上塗り塗りました、下塗りがめくれたら、上塗りも⼀緒にめくれへん? だからいくらいいものを塗っても、下塗りがめくれたら、上塗りめくれちゃうよ。
だから上塗りに、溶剤とか⽔性とか関係ない。
できれば、下塗りに⼒を⼊れてください。
できれば下塗りは弱溶剤かなんか、未だに許されるなら強溶剤のめっちゃゴツい、昔ながらのホントにきつい下塗り材塗るのが 1 番いいと思う。
だけど、今は上塗り材のことを⾔っとる。
お天道様に露出するのは上塗りやから。
上塗りが紫外線に強い。
⾬が降るから、⾬⽔を利⽤して汚れを落とすとか、そういう機能を持ったりする塗料は⽔性に多い。
⽔性は⽇夜開発しとるから。
あと5年くらいしたらもっと⽔性の⽅が良くなるよ。
そうなったら、外壁に溶剤はもう使わんでええやろね。
下塗りは別、今は上塗りの話をしてる。だから、ここは理解してください。
ただ、屋根とか鉄部は、やっぱりその密着度、密着度やね。
密着せなあかんやろ、剥がれたらあかんやん。
密着度とか、乾きとか、丈夫さ、耐候性、いろんなことを考えるとやっぱり、それこそ絵具とペンキの例をを未だにとってもいいと思う。
うちは、だから付帯部はフッ素でしょう?溶剤。
樋とか、破⾵とか、⾬⼾に⽔性なんか使ったことないよね。
そこはウチは問答無⽤でフッ素の溶剤。
フッ素以外使うなと⾔っとるでしょ。
で、屋根は?
屋根もウチは溶剤や。
外壁を⽔性で塗ろうが、屋根は絶対ウチは溶剤や。
下塗りも溶剤や。
ところが 2 回⽬ 3 回⽬の塗り替えになると、前の業者が何塗っとるかわからんから、強い溶剤塗ると剥がれてくるわけよ。
強いもん。
だからそういう時は、やむを得ず⽔性を塗るよね。
だからそれは、バカのひとつ覚えみたいに覚えておいて。
よし、もう⽔性はよくなった。
屋根も付帯部も、⾬⼾も樋もスチールも「全部⽔性で⾏け〜」と俺から指⽰が出るまでは、⿇布はやっぱり付帯部は全部溶剤。
屋根も全部溶剤。必ず溶剤。
外壁だけは⽔性を推奨してください。
この外壁はちょっと⾦属系のサイディングやで、どうしましょうってそういうとこはあかんよ。
適材適所、溶剤を使うべき。
だからひとえに、溶剤と⽔性どっちがいいですかと⾔われても、どっちもいいからね。
どっちです?なんていうその質問⾃体が愚問。
何やって⾔ったら、素地によりますっていうことや。
⼈でもそうやん、あの⼈っていい⼈ですかね?
って聞いたら、悪い⼈です、いい⼈です、なんて⼈によるんじゃない。
俺にとってはいい⼈やけど、ある⼈にとってはよくない⼈かもわからんしね。
だから塗料は全部素地によるということ。
でもまあ⼀般のお客さんにわかりやすく⾔うならば、⽔性よりも油性のほうがいいよ、という考え⽅、そういう固定概念はもう遅い、もう捨ててください。
これからは、外壁に限っては⽔性の⽅がいいですよ。
鉄部とか、プラスチックなんかは未だに溶剤の⽅がいいですよ。
そういう説明の仕⽅が⼤事になると思います。
今⽇の質問は、油性と⽔性どっちが丈夫なんですか?
答え、
ひとえに⾔えません、素地によります。
ただ、外壁は⽔性の⽅が良いです。
塗装歴何年よ?おれ。
ペンキ屋の社⻑が⾔っとるから間違いない。
未だに溶剤の⽅が何もかも丈夫って⾔ってるペンキ屋は、ちょっと勉強した⽅がいいよ。
学んだ⽅がいいよ。
外壁に限っては、⽔性の⽅がよくなってます。
ただ、鉄部や屋根は溶剤の⽅がいいと思います。