鉄部塗装
2020年10月14日更新

雨戸、水切り、シャッターボックスに始まり、外階段や、門扉など、家の外装で鉄でできているものもそれなりにあります。
この鉄部が厄介でして。
鉄は厚さで膨張したり、伸縮したり、さらには地震などでゆがむことで、表面の塗膜がひび割れて、そこからさびが発生します。
昔、理科でやりましたよね。
鉄が酸素と結合して、劣化する現象です。
これを防ぐために、鉄部を塗装する必要があるんですけれども、塗る前のひと手間ふた手間が肝要です。
それは「ケレン」です。
鉄部塗装のケレンで耐久性が決まる!?
ケレンは、鉄部を磨く作業で、1種から4種までの4種類があります。
(一種ケレンは建築塗装の現場ではあまり使われません。)
👉 2種ケレン: 電動工具を使用。錆びている部分、既存塗膜を全面除去。
👉 3種ケレン: 電動工具を使用。錆びている塗膜は除去、錆びてない既存塗膜は残す。
👉 4種ケレン: 全体的にサンドペーパーやワイヤーブラシなどで磨く程度。
使う道具もいろいろあります。
👉 手工具・・・サンドペーパー・ワイヤーブラシ
👉 電動工具・・・サンダーケレン
ケレンとは上記のとおり、鉄部を「磨く」わけですが、ここでいう「磨き」とは、つるつるにする作業のことではなく、あえて、表面を荒くする目的で行います。
つるつるの面に塗った塗膜ははがれるのも早いです。
いったんどこかがはがれてくると、連鎖してはがれます。
かたや、ザラザラの面に塗装した塗膜は、はがれにくい。
だから、はがれにくいように、鉄の表面を荒くするのがケレンなのです。
このケレンをきっちりやるかどうかで、鉄部塗装の耐久性が変わってくるのです。
鉄部塗装における耐久性は、どのような錆止め塗料やどのような上塗り塗料で仕上げるかというよりも、この、ケレンをどこまでやるかによって、塗装後の耐久性が決定されるといっても過言ではありません。
さび止めと中塗り、上塗り
鉄部塗装は、ケレンしたのちに、さび止めを塗りますが、このさび止めが紫外線に弱い。
だから、そのさび止めを守り、鉄を空気に触れさせないために、中塗り、上塗り工程があるのです。
この中塗り、上塗りでしっかりと塗膜厚をつくっておかないと、劣化を早める原因になってしまうのです。
中塗り、上塗りは、外壁塗装や屋根塗装と同様に、シリコン、フッ素などがあり、水性の1液のものよりも、溶剤の2液タイプのほうが持ちもいい。
ただ、塗料云々も、ケレンがきっちりできてからのお話、というわけです。